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CS 進出ナンバー

  1. 身近に潜む数理計画問題
  2. CS 進出ナンバーを求める
  3. 運用方法

時事通信社ご担当者様へのインタビュー記事はこちらからご覧ください

1.身近に潜む数理計画問題

日本プロ野球でクライマックスシリーズにどの球団が、あと何勝で進出できるのかを示すクライマックスシリーズ進出ナンバー(以下、 CS 進出ナンバー)が 2012 年 8 月 17 日より配信されました。計算エンジンには Numerical Optimizer を使用し、時事通信社様との共同で開発を行いました。

日本プロ野球では両リーグそれぞれ上位 3 球団が、日本選手権シリーズ進出をかけたクライマックスシリーズに出場できます。どの球団が、あと最低何勝すれば必ずクライマックスシリーズに進出できるか( CS 進出ナンバー)は試合が進むにつれて、重要な指標です。しかし、3 位以内という条件のうえ、日本のプロ野球には引き分けが存在することで試合の結果パターンは膨大な数に上ります。さらには最終勝率が同じだった場合など、特定の条件下ではより複雑な判断基準が存在するため、算出は非常に困難となります。

我々は、考えられる状況を制約式として定式化し、数理計画問題としてモデル化することで、膨大なパターンの中から条件を満たすパターンが存在するかを素早く判定し、 CS 進出ナンバーを算出しました。

2.CS 進出ナンバーを求める

では、CS 進出ナンバーはどのようにして求めるのでしょう。

ある球団(以下、対象球団)の CS 進出ナンバーを求めたいとします。この場合、まず対象球団の CS 進出ナンバーを n と仮定します。
日本プロ野球ではまず、交流戦を含めた最終勝率(以下、勝率)で順位が判断されるので、残る全試合パターンで対象球団の勝率が単独 3 位以内となれば、クライマックスシリーズ進出は確実です。

そこでまず、「対象球団が勝率で単独 4 位以下である」というモデルを数理計画問題として記述し、少なくとも 1 つのパターンでこのモデルに解が存在すれば、 n は CS 進出ナンバーではない、ということが言えます。
残り試合のすべてのパターンで解が見つからなかった場合は、すべてのパターンで勝率が同率 3 位以内である、ということになります。

次に、「対象球団が勝率で同率 3 位以下である」という問題を同様に解くと、すべてのパターンで解が見つからなかった場合、 対象球団はすべてのパターンで勝率が単独 3 位以内であることがいえます。
この場合、 n は CS 進出ナンバーの可能性があります。「可能性」というのは、これより小さな数でも CS 進出ナンバーとなるかもしれないからです。
少なくとも 1 つのパターンで解が存在した場合は、そのパターンにおいて対象球団と同率で 3 位の球団が存在することになり、日本プロ野球のアグリーメントより、別の基準で順位が判断されることになります。

このようにして CS 進出ナンバーの候補を求め、n を動かすことによって最小の n 、CS 進出ナンバーを求めるのです。

flow chart

しかし、問題はここからです。
日本プロ野球のアグリーメントによると、同着で並んだときの順位判定にはステップがいくつもある上に、リーグによって違うのです。勝率が同じだった場合、以降は次の図の順で順位が決定されます。

flow chart

実際は稀にしか起こらないケースですが、このようなケースもきちんと考えることにより正確な CS 進出ナンバーを計算しています。

3.運用方法

我々は高速なソルバーを用いることで、次の試合日の全結果、128 パターンに亘って CS 進出ナンバーを試算し、試合が終了する前に CS 進出ナンバーを予測しています。

あらかじめ計算をしておくことにより、突然の機器の故障などのトラブルにも強いシステムを構築しています。また、一部の試合が終了した時点での CS 進出ナンバーの変化なども得ることができるようになります。