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S-Quattro ユーザー事例

株式会社NTTデータ 担当者 日本上空を飛行している航空機の渋滞状況をS-Quattro Simulation Sytem でシミュレーション

株式会社 NTTデータ様
URL:http://www.nttdata.com/jp/ja/

交通ITSにおける渋滞シミュレーションをはじめ、交通分野の技術開発に注力しているNTTデータ。 今回は、その一環として航空シミュレータを開発した。 シミュレータの開発には S4 Simulation System を利用し、日本上空を飛行している航空機の渋滞状況を、シミュレーションによって再現、評価している。


開発された航空管制シミュレータについて簡単に紹介してください。

矢実   現在、日本の上空は過密状態にあると言えます。さらに今後は、2020年の東京オリンピック、LCCの隆盛で運行量も増大していくことが予想されます。 空路が混み合うと、航空機同士が異常接近してしまう可能性もあるので、管制官は後続機を遅延させる事でその交通量を調整しています。 その為、空路の混雑は運行ダイヤの遅延に直結し、利便性や経済性を損なう可能性が指摘されています。
今回開発した航空管制シミュレータでは、航空機の運行ダイヤに基づいてシミュレーションを行い、いつ、どの航空機に遅延が発生するかを予測・検証する事が出来ます。 これにより、翌日に混雑が予想されるエリアの管制官の配置や体制を事前に検討する事が可能になります。
また、滑走路のような交通インフラや、航空機間隔、管制エリアの設計といった運航方式を任意に設定する事で、任意の条件下で運行の堅牢性を評価し、 中長期的な遅延削減施策を検証する事も可能になります。

実際にどのように動作するのでしょうか。

「航空管制シミュレーション」のデモ動画 (クリックすると動画が流れます)


矢実   デモをご覧ください。ある時刻の日本を飛行している航空機の様子が可視化されています。航空機が過接近の回避を目的とした迂回などで、運行ダイヤよりも遅延している場合に点滅します。 右下のグラフはダイヤよりも遅れた時間、すなわち点滅時間の累積を表していて、シミュレーションが進むにつれて遅延時間が増えていくのが分かります。
このような点滅が少ない状態が、遅延に強い理想的な状態といえます。

航空管制シミュレータの中でどのように S-Quattro が使われているのですか。

矢実   航空管制シミュレータはWebアプリケーションとして実装されています。その中で S-Quattro は運行ダイヤやその他のパラメータをリクエストと受け取り、シミュレーション結果を返すサーバプログラムとなっています。
Webアプリは別で開発していたので、当初、サーバだけを S-Quattro に変更するのは難しいかと思っていました。 ですが、NTTデータ数理システムの担当者の方がWebアプリのインタフェースに合わせ、柔軟に仕様の相談に乗ってくださったことで、結合の問題に対処できました。このような専門知識の豊富さや柔軟さは非常にありがたかったです。

航空管制シミュレータとS-Quattroのイメージ

シミュレータの開発に S-Quattro を選ばれた理由は。

矢実   航空に限らず、堅牢なシステムが求められる分野において新しい方式や仕組みを提案する際には、事前の入念なシミュレーションが必要になります。また、交通などの複雑なテーマにおいては、その結果を可視化するデモンストレーションまでが重要です。 しかし、このような専門的なシミュレータを1から実装するとなると開発工数が大幅に膨れ上がってしまいます。
S-Quattro のエージェントシミュレーション機能やシミュレーション言語ライブラリのpsim言語を使って効率よく実装する事で、開発工数を短縮する事が出来、短期間での開発ながら、目的に合ったシミュレーションを開発する事ができました。

開発はどのように進められたのでしょうか。

矢実   NTTデータ数理システムは S4 Simulation System を独自開発している為、単に開発を委託するだけでなく、航空機の独特な動きをシミュレータ上で表現するために様々なアドバイスをもらう事が出来ました。
例えば、航空機の速度は風向や風速に大きく影響を受けます。そのため、風向や風速といった天候に影響した遅延の発生を取り入れることは重要です。また、ベクタリングと呼ばれる過接近時の回避行動もシミュレーションに組み込みたかったのですが、これらの動作は計算が複雑で、 細かい仕様を詰めるのに苦労していました。この件を相談したところ、NTTデータ数理システムは要件を入念に聞いてくれた上、さらには積極的に提案を行ってくれました。結果、数理的なモデル化から実装まで、提案ベースで開発を進めてもらえたので、検討が難航していたこれらの要件の実装を実現する事が出来ました。
これは数理的な解析や統計解析に強い、NTTデータ数理システムならではの強力なサポートがあったからこそだと言えます。

今後の展望をお聞かせください。

矢実   現在、航空機の飛行経路に関するデータをどのように活用するかが、活発に議論されており、これらのデータを蓄積する環境も世界的に整いつつあります。今後、このようなデータ利用が可能になれば、より現実に近いシミュレーションが実現できます。高精度なシミュレーションを用いて、 新しい運行方式や仕組みを検討する事で、より空の旅を快適にする一助となれればと思っています。

関連情報

ご紹介した航空管制シミュレータはNTTデータ様のショールームで見学する事ができます。

NTTデータ様のショールーム
Inforium(http://www.nttdata.com/jp/ja/inforium/