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S-Quattro ユーザー事例

株式会社NTTデータ 担当者 大都市の道路交通シミュレーションをS-Quattroで実現

株式会社NTTデータ
URL:http://www.nttdata.com/jp/ja/

官公庁や自治体、企業など広く社会に情報システムを提供しているNTTデータ。アジアなど交通の密集が進む世界の大都市への提案として、道路交通の渋滞を予測し、 適切な交通量になるよう信号制御を行う先進的なシステムを開発した。 そのシミュレーション基盤として重要な役割を果たしているのが、S4 Simulation System(以下、S-Quattro)だ。


東京をはじめ、世界の大都市の渋滞緩和を目的に開発

開発した「渋滞予測・信号制御シミュレーション」は前例のないシステムですね。

いま、どの地点で、どの程度の渋滞が発生しているか、カーナビゲーションシステムなどでリアルタイムの交通情報システムが稼動しています。私たちはそれよりも一歩進んで、今後、発 生しそうな渋滞をシミュレーションで予測し、さらにそのデータを信号機の制御に活用する ことで、渋滞の発生を未然に防ぐシステムを作ろうと考えました。 クルマの台数が多くなりそうな路線や方向を予測し、その方向の「青」点灯の時間を長く調整することで渋滞を緩和し、円滑な道路交通を支援することを目指しています。

「渋滞予測・信号制御シミュレーション」のデモ画面 (クリックすると動画が流れます)

「渋滞予測・信号制御シミュレーション」のデモ画面

実際にどのように動作するのでしょうか。

デモ画面をご覧ください(表面参照)。小さなドットがそれぞれクルマで、車速の違いを色で表示しています。 緑/赤の少し大きなマル印は信号機です。従来からの信号機制御(時間式)と、本システムによる動的信号制御方式と でクルマの動きがどのように変わるか、S-QuattroのシミュレーションによりPC画面上で一台一台のクルマの動きを表示します。 下のグラフは、信号機の平均待ち時間やクルマの平均速度の推移です。 本システムで適切な交通量になるように信号制御を行うと(赤グラフ)、時間式(青グラフ)に比べて信号機の待ち時間は短く、走行速度も速くなる、 という結果が得られました。 日本では「VICS(Vehicle Information and CommunicationSystem)」が普及していますが、本システムではVICS非対応の道路や地域、国に対しても分析を行うために、GPSプローブデータを利用しています。

大都市の交通シミュレーションを、S-Quattroの分散処理で実現

S-Quattro選定の理由をお聞かせください。

分散処理やGPSプローブデータ対応など、私たちが求める機能の実現が容易だったことが決め手です。S-Quattro は、Python言語による汎用シミュレーションシステムです。あらかじめ用意された多数のライブラリにより、分散 処理などの機能をはじめ、多彩なシミュレーションモデルを柔軟に組み上げることができます。 本システムは、日本以外にもアジアなど海外展開も視野に開発しています。国が変われば交通事情も変わるため、 モデルを柔軟に追加、変更できるS-Quattroの柔軟性の高さは大きな魅力でした。道路情報専門の各種システム があることも知っていますが、S-Quattroほどの柔軟性は見いだせませんでした。

TBレベルのデータ・シミュレーションを行っているようですね。

本システムは、東京など大都市の道路交通をまるごとシミュレーションする目的で開発しています。対象となる クルマは最大で100万台規模にも及び、GPSプローブデータだけでも1年分でTBレベルあります。通常、それだけの ビッグデータの処理にはスーパーコンピューターが必要となりますが、S-Quattroで構築した分散処理の仕組みに より、一般的なサーバー数台で分散処理が可能です。大規模なシミュレーションも、S-Quattroを使い分散処理の仕組みを構築することで高速化を実現できるわけです。 その分散処理をはじめ、地図上にマッピングして可視化するためのエージェントモデリングフレームワーク、さらに予測データの信号機制御用データへの変換など、S-Quattro は本システムでさまざまな役割を担っています。 データの扱い方やモデル設計など各局面でNTTデータ数理システムから提案やサポートを受け、スムーズに開発を進めることができました。

大規模シミュレーションでの分散処理のイメージ

大規模シミュレーションでの分散処理のイメージ

どんなニーズにも、S-Quattroならきっと応えられる

今後の展望や課題を教えていただけますか。

本システムにより渋滞が緩和されれば、エネルギーの消費効率やCO2削減など、さまざまなメリットが見込めます。それ以外にも、2020年の東京オリンピックなどビッグイベントでの渋滞予測や警備計画などにも活用できます。 先日開催された「ITS世界会議」で本システムを参考出品し、大きな反響とともに、いくつかの課題もいただきました。その中で、交通事故などリアルタイム情報の取り込みはぜひ実現したいと考えています。 そうすることにより、さらに高精度なシミュレーションの実現を目指します。 今後、さらに調整や改良、変更が必要になると思いますが、S-Quattroベースの本システムであれば理想のシステムに進化させていけると信じています。