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S-Quattro ユーザー事例

TOTO 株式会社 担当者 問い合わせ部門の応答率を予測

TOTO株式会社
URL:http://www.toto.co.jp/

TOTOでは特約店や施工店からの専門的な問い合わせに対応する部門を事業部ごとに設けている。こうした問い合わせ部門における応答率とオペレーター数のバランスを求めるのに、S4 Simulation System(以下S-Quattro)を活用。シミュレーションによって導き出された結果は、適正な人員配置を検討するための具体的なデータとして役立っている。


議論の土台となるのは、シミュレーションによる根拠のある数字

S-Quattroを導入し、まず身近な問題からシミュレーションに取り組んでいますね。

問い合わせ部門が抱える悩みを解決するため、応答率と適正人員数の予測に取り組みました。問い合わせ部門は、ときに「今年は応答率95%だったから、来年は98%に」とか「応答率は落とさずに人を減らして」といった要求を受けます。でもオペレーターには、お客さまの問い合わせに丁寧に答えると1件あたり何分かかる、という一定の時間があります。要求に対して「応答率を何%にするためには何人が必要」「この人数でこの応答率にするには、お客さまへの対応時間がこんなに短くなってしまう」などと議論するには、土台として根拠のある数字を示すことが重要ですよね。その数字をシミュレーションによって算出しようと、S-Quattro を使い始めました。

応答率をシミュレーションするために、どのようなデータを用いるのですか。

応答率予測は待ち行列の問題に当てはまります。問い合わせ対応が電話なら、必要なデータは◆電話がかかってくる時間間隔の平均値と、◆1件当たりの対応時間の平均値です。このとき気を付けなければならないのは、対応時間は通話時間ではないということ。そこにはログ入力などの後処理時間も含まれます。当社の場合、通話時間はすぐにデータを取り出せますが、後処理時間についてはデータがない部門もあります。でも予測するからには精度が重要です。そこでデータがない場合には、新たに後処理時間を記録してもらうなどしてシミュレーションを行いました。

人員数と応答率の関係(シミュレーション結果)

人員数と応答率の関係イメージ

各人のスキルや対応方法の違いにも考慮し、柔軟に分析

現場の実情に照らした分析とするために工夫されていることをお聞かせください。

現場からの要望でオペレーターによるスキルの違いを取り込んでいます。ベテランは問い合わせにすぐに答えられるので対応時間が短く、他の人よりもたくさん電話を取れます。そのためベテランが抜けたときと新人が抜けたときとでは、人数は同じでも応答率は違います。そのような実情を考慮する際、対応時間には全員の平均値ではなく、その日のメンバーに応じた平均値を採用しています。

ある5人のチームをシミュレーションしたときには、こんな結果が出ました。全員で対応すると応答率が92 .5%。ベテランのAさんが定年退職で4人になると82 .3%。その状況で別のBさんが休むと68 .4%。Aさんの代わりに平均的なスキルの1人が入ると91.0%。Aさんが退職した後の応答率を予測することで、今後の配置計画を検討する材料として、とても具体的なデータを提供できましたね。

TOTOバスクリエイトの「なんでも相談センター」では、FAXでの問い合わせに対応しているチームをシミュレーションしました。メンバー4名でフル稼働しても、たまったFAXが減らない時間帯が必ずあるため、最適な人員を知りたいと思ったのがきっかけでした。用いるデータとして、返信用の回答を書くのにかかった時間を、FAXチームのメンバーが1件1件記録しました。シミュレーションの結果を時系列で見ると、問い合わせFAXが一時的にたまる時間帯はあるものの、順々に処理していけば、一日のなかでは落ち着くことがわかりました。この結果にチームも納得。「忙しい時間帯もあるけれど、無駄のない作業に努めて現状の人数でがんばろう!」とモチベーションを高めることができました。

FAX業務の待ち行列シミュレーション(3人体制と4人体制の待ち件数推移の例)

FAX業務の待ち行列シミュレーションイメージ

自分でプログラムを組むより、効率的にソフトを使いたい

シミュレーションソフトにS-Quattroを選ばれた理由は。

市販の離散イベントのシミュレーションソフトには、あまり選択肢がありません。国産は S-Quattro だけですし、NTTデータ数理システムなら充実したサポートを受けられるとわかっていたので、迷わず選びました。待ち行列はそれほど難しい問題ではないので、問い合わせ部門の応答率だけをシミュレーションするなら、自分でもプログラムを組むことができます。でも当社は製造部門もあるし、待ち行列を適用して解決できる課題は、ほかにもたくさんあるだろうと。それなら課題ごとに自分でプログラムを組み、動作検証に時間をかけるより、ソフトを使ったほうが効率的だと考えたのです。

実際に使ってみて、使い勝手はいかがですか。

GUIだからアイコンをドラッグ&ドロップするだけで、簡単にシミュレーションモデルを作成・実行・検証できるのがいいですね。プログラミングができない人でも使えます。また分析者以外でも、これから何をどのようにシミュレーションしようとしているのかイメージできるので、出てきた結果に説得力を感じるようです。

S-Quattro を導入して日が浅いので、まだシンプルな機能しか使っていませんが、マニュアルやチュートリアルである程度の使い方がわかるので助かります。それに、いつでもサポートを受けられるというのは、やはり心強いですね。少し前には、オペレーターの人数を変化させながら応答率を出そうとしたときに、一回の実行でまとめて結果を出せる「一括実行機能」について教えてもらいました。

企業において意思決定をする際、ときには勘と経験が必要なときもありますが、本来は小さなことでもデータを積み上げ、それをもとに議論することが重要だと思います。S-Quattroにはさまざまな機能があるので、これからも適用範囲を広げていろいろな現場でシミュレーションを実践し、データを重視する企業風土づくりに貢献したいです。

応答率予測をした際のモデル図

応答率予測をした際のモデル図