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S+DOX

実験計画法・タグチメソッドのためのS-PLUSアドオンモジュール

S+DOXは実験計画法、特に一部実施要因計画(Fractional Factrial Designs)、応答曲面のあてはめ(Response Surface Method)、頑健計画法(Robust Design Method)のためのさまざまな関数からなるモジュールです。

関数には実験計画作成、ランダム化、モデルあてはめ、あてはめ結果のグラフィックス表示を行うための関数などがあります。

一部実施要因計画

一部実施要因計画は、製品やその製造過程に影響を与える重要な因子を特定する(screening)ための有用で信頼のおける実験計画法です。通常これは、その製品に影響を及ぼす可能性のある因子が数多くある、実験の初期の段階や、因子の量やコストなどに制限があり、実験の回数を増やせない場合などに用いられます。

S+DOXでは一部実施要因のための実験計画を作り、その計画に対応するモデルのあてはめを行います。これにより主効果、交互作用に対する係数などの解析結果が求められます。また、例えばパレート図などのグラフィックス機能を利用することにより、因子をふるいにかけることができます。

(2因子の交互作用の影響を調べる)

応答曲線のあてはめ

特に因子が連続で、制御可能な場合は、できるだけコストを小さくした上で最高の結果を得るための、因子の最適な水準を求めたいことがあります。応答変数に1次、2次曲線をあてはめ、この最適な水準を求める方法を「応答曲線あてはめ」といいます。応答曲線あてはめには、まず一部実施要因計画などで因子をふるいにかけ、強く応答変数に影響のあるいくつかの因子を用います。

S+DOXでは、応答曲線あてはめの場合にも、それに適した実験計画を作り、そのモデルに対して解析を行います。解析結果はS-PLUSの豊富な2D、3Dのグラフィックスにより可視化され、各因子の最適水準を求めることができます。また、数値的に最適解を求める関数も用意されており、特に応答変数が複数ある場合などは、これらの関数の組合せにより、さらに複雑な解析も行えます。

頑健計画法

因子の中には実験者が容易に制御できる制御因子と、外的要素に左右され制御が困難な非制御因子(変動因子)があります。頑健計画法は、非制御因子に対して頑健(robust)であるような各制御因子の水準を田口流のアプローチ、またはBox流のアプローチによって求めます。

これは、製品の品質や実験の効率を良くするだけでなく、それらが常に安定して得られることに主眼を置いた方法です。例えば室温などの実験者が容易にその水準を設定できない因子がある場合でも、それ以外の因子の水準を適当に取ることで、自分の望んだような安定した応答変数を得られる可能性が大きくなります。

S+DOXで頑健計画法を行う場合、まず内側配置、外側配置の実験計画を一部実施要因計画や直交計画で求めます。その実験に応じた結果からモデルあてはめを田口流、あるいはBox流アプローチを用いて行い、最適水準を求めます。この結果の解釈を容易にする、さまざまなグラフィックスも用意されています。