S-PLUS mini course の12回目をお届けします。
前回のメールで大嘘をついてしまいました。7/25 に出すのは正しいのですが、実際はいつもより、間隔があいてしまっていたのですね。失礼いたしました。
前回、グラフパラメータを設定するための関数 par についてご紹介しました。par という関数で指定できるのは、グラフの線の色や、点の形や大きさなどで、これらは、plot などの中でも指定できることに触れました。そして、次回予告として、じゃ、どうして par という関数があるのかという理由について触れます、と予告しました。
plot の中で指定されるグラフ・パラメータと、par の中で指定されるグラフパラメータの機能には次のような違いがあります。
次のようなコマンドの流れでご説明しましょう。
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par(col=2)
# グラフ・パラメータのうち、col(色)を2番にした
plot(1:10)
# 点、軸などはすべて、2番の色を使って、プロットされる
plot(1:10, col=3)
# 点、軸などはすべて、3番の色を使って、プロットされる
(このグラフだけでのみ、色が3番になる)
plot(1:10)
# 点、軸などはすべて、2番の色を使って、プロットされる
points(1.5,1.5, col=4)
# x=1.5, y=1.5 の場所に、4 番の色を使って、点をプロット
# 軸は書かないので、軸の色は変わらない
par(col=3)
# グラフ・パラメータのうち、col(色)を3番にした
plot(1:10)
# 色番号は3番
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となります。パラメータを継続させたいか、一過性のものにするかによって、どちらかの関数で指定してください。
また、par でしか設定できないパラメータもあります。「割付パラメータ」といわれるもので、1つの画面にグラフをいくつ描くか、余白をどれだけ取るか、・・・といったことを指定します。代表的なのが
mfrow=c(2,2)
# グラフを1画面に 2x2 で表示させる
fty="s"
# グラフを正方形にする
mar=c(6,6,6,6)
# 余白の大きさを変える
などです。
くれぐれも、これらパラメータを設定されると、次に par で同じパラメータが呼び出されるまで、あるいは、グラフ・ウィンドウが閉じられるまで継続することを忘れないでください。
現在の設定を保存して、新しい設定に変更するには、
old.par <- par(新しい引数=値)
とします。新しいほうが old.par に保存されてしまいそうですが、古いのが old.par に「追い出され」て、新しい値に設定される、と思ってください。
現在の設定に戻すには
par(old.par)
とします。
以上で、「plot などによるグラフ」の巻は終わりにします。
次回は、「Trellis グラフィック」の巻を開始します。
# ぜんぜん関係ない話で恐縮ですが、NHK教育でやっている
# 「ひょっこりひょうたん島」-海賊の巻-とっても長くありませんか?
次回は 8/11 にお届けする予定です。
お楽しみに!