4.3 空間回帰モデル


仮定するモデルは、

ここで μi はサイト i の平均であり、定数 or 共分散構造を持った線形モデル。

S+SSで扱える共分散構造

すべて多変量正規性を仮定する。

CAR、SARモデル Y = Xβ + ρN( Y - Xβ ) + D1/2ε
MAモデル Y = Xβ + ρNW1/2 +D1/2ε
ここで、Y は目的変数の列ベクトル、 X は従属変数を列ベクトルにとる行列、ε は各要素が互いに独立に N(0,1) に従う列ベクトル

dispersion matrix(Σ)の形が異なる

ここで、ρσ は空間回帰によって推定されるパラメータ(スカラー)、 N は重みを定義した近傍行列、 D は対角行列で、周辺分布の不均一な分散を修正するための重み行列(近傍の重みと区別せよ)。

関数 slm は (1)平均値関数 μi に対する最尤推定量を求め、 (2)残差 Zi - μi にCAR、SAR、MA のいずれかのモデルを当てはめる。 (2) では、ρσに対する最尤推定が行われる。また、対数尤度も求めらるため、μi に対するモデルや残差に対するモデルどうしの当てはまり具合の比較も可能になる。

CARモデル、SARモデルは時系列解析におけるARモデルに相当し、MAモデルは時系列解析におけるMAモデルに相当する。詳しくは Cliif and Ord(1981)、もしくは Cressie(1993)、 Haining(1990) 参照。

CARモデルとSARモデルの違いは、変量 Y の各要素の分布を、他の要素の値がわかっているときの条件付き分布で与える (CAR) か、同時分布で与える (SAR) かによる。

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