シミュレーション適用事例:商品の普及モデル

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シミュレーション適用事例 として、シミュレーションで解決できる様々な事例を紹介しています。
NTTデータ数理システムで開発しているシミュレーションシステム S4 Simulation System 上での実装例もご紹介します。

背景

新商品は情報発信や、商品を実際に購入したお客の口コミ等によって普及していきます。新商品を全ての顧客層に購入されるようなヒット商品とする為には、商品普及のキーとなるような顧客層に受け入れられるような効果的なマーケティング戦略を立てる必要があります。ここでいう顧客層とは、イノベーター理論(1962年エベレット・M・ロジャース教授)に基づいた、商品の採用者を新商品購入の早い順に以下の五つに分類したものを指します。

イノベーター(Innovators:革新者)

冒険心にあふれ、新しいものを進んで採用する人。
商品の新しさにのみ注目し、ベネフィットにはあまり注目していない。自分が優れた商品を発見する能力を持っていることに自己満足してしまい、他人に話すことはしない(口コミしない)。
(市場全体の2.5%)

アーリーアダプター(Early Adopters:初期採用者)

流行に敏感で、情報収集を自ら行い、判断する人。
他の消費層への影響力が大きく、オピニオンリーダーとも呼ばれる。
(市場全体の13.5%)

アーリーマジョリティ(Early Majority:前期追随者)

比較的慎重派な人。
平均より早くに新しいものを取り入れる。ブリッジピープルとも呼ばれる。
(市場全体の34.0%)

レイトマジョリティ(Late Majority:後期追随者)

比較的懐疑的な人。
周囲の大多数が試している場面を見てから同じ選択をする。フォロワーズとも呼ばれる。
(市場全体の34.0%)

ラガード(Laggards:遅滞者)

最も保守的な人。
流行や世の中の動きに関心が薄い。イノベーションが伝統になるまで採用しない。伝統主義者とも呼ばれる。
(市場全体の16.0%)

新商品が発売されるとまずイノベーターによって購入されます。次に広告のような情報発信が行われるとその情報を収集したアーリーアダプターによって購入されます。その後、アーリーアダプターの口コミによって新商品はアーリーマジョリティにまで伝搬され、周囲の大部分によって購入された時にレイトマジョリティによって購入されはじめます。

もしも効果的な情報発信が行われ、その効果が大きい場合には、以下のように一定期間後に全ての顧客層にまで商品が普及します。

商品伝搬の様子

商品普及のシミュレーション

S4 を用いた解決

S4 Simulation System でこのような商品普及モデルを実現すると次のようになります。 (以下、図をクリックすると拡大します)

普及例1

この場合、ラガートまで新商品の伝搬に成功しています。反対に、情報発信による効果が小さい場合には、アーリーアダプターへの普及が遅れ、全ての購買層まで商品を普及させる事が出来ません。

普及例2

この他にも、情報発信を離散イベントとしてとらえる事で、広告を定期的に配信した場合のシミュレーションや、一定期間ランダムに広告配信を行った場合のシミュレーション等も行う事ができます。このように離散イベントと連続シミュレーションのハイブリッドなシミュレーションは、両方の機能を兼ね備えた S4 Simulation System ならではのシミュレーションです。

おわりに

シミュレーションについて

他にもシミュレーションで解決できる課題の例をシミュレーション適用事例としてご紹介しています。
そもそもシミュレーションとは?シミュレーションってどうやるの?等の疑問をお持ちの方に向けて、具体例も交えて紹介・解説する【1から分かるシミュレーション読本】を無料公開しています。 よろしければ併せてご覧ください。

S4 Simulation System について

「S4 Simulation System」は、複雑なモデルGUI上で表現しを誰でも簡単にシミュレーションを行なえるソフトウェアです。本記事でも「S4 Simulation System」でのシミュレーション実装例をご紹介しました。
30日間の無償トライアルでシミュレーションモデルをご自身で動かしていただくことも可能です。ご興味をお持ちの方は下記のフォームからお問い合わせください。

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また、「S4 Simulation System」のご紹介とハンズオンでのシミュレーション体験を行うオンラインウェビナーを毎月無料で開催しております。ご興味をお持ちの方はぜひご参加ください。

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監修:株式会社NTTデータ数理システム 機械学習、統計解析、数理計画、シミュレーションなどの数理科学を 背景とした技術を活用し、業種・テーマを問わず幅広く仕事をしています。
http://www.msi.co.jp NTTデータ数理システムができること
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