5.3 1次、2次特性量の調査


点パターンのモデリング。空間点過程が

定常
強度が一定で、"2次の強度" が2点の方向と距離だけに依存し、絶対位置に依存しない。
等方的
定常で、2次の強度が2点の距離にだけ依存し、方向に依存しない。

ここで、2次の強度(Gatrell et al., 1995) は、点どうしの空間的依存関係を示す尺度である。

強度

定常仮定では、λ は有界領域 A のどこでも一定。関数 intensity は強度を求める関数。方法は以下の4つから選択して引数 method に与える。

"basic"
点の個数/領域の面積
"binning"
領域を分割して点の個数を数えた後、局所回帰によりスムージングを行う → 関数 image , wireframe で視覚化
"kernel"
「Sと統計モデル(共立出版)」参照
"gauss2d"
「Sと統計モデル(共立出版)」参照

K関数

2次特性量

点どうしの関係が、空間の中でどのように変化しているか記述する量
K(d) = λ-1 E [ イベント数 ≦ 任意のイベントの距離 d ] (λ は強度、 E は期待値)

を K関数と呼ぶ。

K関数の強みは、いくつかのモデルに対して K(d) の理論値が分かっていることである。例えばCSRでは K(d) = πd2 である。クラスタ型であれば、小さな d に対して K(d) > πd2 であろうし、規則型であれば K(d) < πd2 になるだろう。

K関数の推定量(Ripley, 1976)

ここでは n は A 内の点の数、 |A| は A の面積、di,j は i番目の点と j番目の点との距離、 wi,j は点 j を中心にして j を通る円の、領域 A に含まれている部分の面積の割合。 Id(di,j) は指示関数で、 di,j ≦ d ならば1、その他は0。関数 Khat でK関数の推定値を求めることができる。

L関数

CSRの K関数は2次関数なので、1次関数にした

の方が分かりやすい。これを L関数と呼ぶ。 CSR の L関数は L(d) = d となる。

Ghat(d) のときと同じように、Khat(d)のCSRの検定(に類するもの)を、全く同じ方法で行える。

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