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数理計画用語集

多目的最適化

読み:たもくてきさいてきか
別名:多目的最適化問題
関連パレート最適

目的関数が複数存在する最適化問題を多目的最適化問題と呼ぶ.多目的最適化を解く一つの方法は,各目的関数に適当な重みを設定し,単一の目的関数を有する最適化問題に変更する事である.しかしながら,複数の目的関数をそのまま考慮したいという要請も存在し,この場合にはそもそも最適解の定義から,新たな考え方の導入が必要になる.

通常の最適解の概念の多目的最適化への単純な拡張は,完全最適解と呼ばれる.これは,直感的にはどの目的関数に対しても最適という性質を持つ.数学的には,以下の多目的最適化問題

equation

において, equation が完全最適解であるための必要十分条件は

equation

と記述される.

単目的の最適化問題の場合と異なり,完全最適解は常に存在するとは限らない.各目的関数に対する個別の最適解集合に共通部分が存在する,という幸運なケースでは完全最適解が存在するが,通常はある目的関数に対して最適な equation は,他の目的関数に対しては最適ではない.

このような問題に対処するために,パレート最適という概念が考え出された.パレート最適の直感的な定義は,次のように表現できる「 equation がパレート最適解であるとは, equation を全ての点で下回るような equation は存在しない事を言う」

多目的最適化の目標は,大雑把にはパレート最適な解(さらに強い条件を課す事もある)を求める事であるが,これには主として二通りの流儀がある.一つは選考最適化に基づくアプローチであり,もう一つはゴールプログラミングによるアプローチである.後者のアプローチとしては希求水準法などが知られている.

[参考]
中山弘隆,谷野哲三,多目的最適化の理論と応用,コロナ社,1994