2025年度学生研究奨励賞

今年度も多数のご応募誠にありがとうございました。学生研究奨励賞の結果(上位)は以下の通りとなりました。
最優秀賞、優秀賞の研究につきましては受賞者による研究説明動画を配信しています。ぜひご視聴ください。

最優秀賞

製造業の生産現場を対象としたデータ駆動型問題発見方法と S4 Simulation System を用いた改善案検証方法の開発

青山学院大学大学院 理工学研究科 理工学専攻
奥田 将史 様
発表論文
内容
製造業ではDXへの取り組みが進められている一方、DXで十分な成果を出せていると考えている企業はごくわずかで、生産現場での具体的なデータ活用のための体系的な手法は確立できていません。
本研究では、生産現場を対象とした汎用性の高い生産工程のロス改善案導出方法とデータ収集方法を考案し、その現場適用を行いました。現場適用に際しては、作業者の稼働状況を固定カメラ画像から高精度に検出できるツールを作成し、これらを用いて稼働状況をデータ化しました。これらを可視化して問題点と改善案を整理し、生産工程を再現したシミュレーションモデルの中で改善案の定量的な効果を検証することで、具体的な提言が行えることを示しました。
選評
本研究は、製造業の生産現場を対象として、データ駆動型の問題発見方法の考案から問題の改善案の検証までを一気通貫で実現した点が優れています。
単なる手法の提案にとどまらず、独自の分析ツールを開発して実際の企業データに適用し、改善案を導出したうえでシミュレーションによりその効果を定量的に検証しており、理論と実践の両面で完成度の高い研究となっています。
現場の実態把握と改善提案が密接に結びついており、製造業の生産性向上につながるビジネスレベルの高い取り組みです。今後の発展と社会実装が期待されます。

優秀賞

フィブラート系薬剤と胆道系有害事象の不均衡解析 ~JADERおよびFAERSデータベースを用いた評価~

山口東京理科大学 薬学部 薬学科
渡邉 智子 様
発表論文
内容
フィブラート系薬剤は脂質異常症の治療薬として広く用いられており治療薬としては有益であるものの、複数の研究から胆道系への有害事象の可能性が指摘されています。
本研究では、自発報告システムデータベースのデータを用いてフィブラート系薬剤の投与と胆道系有害事象との関連を統計的に解析し、これらに関連あることが示唆されるという結論が得られました。
薬剤の種類によるシグナル頑健性の違いが見られますが、データのバイアス等の課題があり、特定の薬剤との因果関係を示すことは困難です。今後の検証的研究で因果関係の有無を明らかにしていくことが期待されます。
選評
本研究は、フィブラート系薬と胆道系有害事象との安全性シグナルを、JADER・FAERS を用いて多面的に検証したものです。
課題設定の重要性と解析の丁寧さが評価でき、複数のシグナル指標に加え、層別解析や発現時期解析(Time-to-onset解析)まで行っている点に意義があります。
一方で、著者も認識している通り、自発報告データに基づく研究である以上、交絡や報告バイアスを踏まえた慎重な解釈が必要です。今後、交絡因子をより丁寧に扱える研究デザインでの検証や他データでの再現性確認を通じて、本研究の知見がさらに深まることを期待します。

秀作

医療対応プロセスにおける「プロセス遅延 × 患者状態」の統合的因果評価―公開Sepsis イベントログと BayoLinkS を用いたクリニカルパス短縮の検討―

上智大学大学院 応用データサイエンス
坂中 和希 様
発表論文

佳作

介護予防施策の効果を事前に評価することを目的とした動的ベイジアンネットワークモデルの構築

東京理科大学 創域理工学部 経営システム工学科
篠原 かれん 様
発表論文

過活動膀胱治療薬に関連する心房細動報告の発現時期と背景因子に関する検討

山口東京理科大学 薬学部 薬学科
名倉 京佑 様
発表論文

ワークショップが創造的自己効力感に及ぼす影響:参加前後の意識変化に基づく実証分析

名古屋工業大学大学院
志賀 万里 様、 畔栁 智恵美 様
発表論文

ネット通販におけるきものの価値決定要因分析

名古屋工業大学大学院 工学研究科 経営システムプログラム
本杉 憲伸 様
発表論文

多製品への利用を考慮したリチウムイオンバッテリーの回収・再利用計画

神奈川大学 工学部 経営工学科
片山 颯太 様、鈴木 裕之 様、髙橋 航貴 様
発表論文

書店における顧客行動シミュレーションの構築

東京理科大学 創域理工学部 経営システム工学科
山口 悠己 様
発表論文

京都錦市場商店街における収益性を考慮した混雑緩和施策の提案

早稲田大学大学院 創造理工学研究科 経営システム工学専攻
速石 雅大 様
発表論文