「課題解決を成功させるためのデータサイエンス ~製造現場における要因分析のフレームワーク~」 レポート
BayoLinkSメールマガジン
平素より BayoLink/BayoLinikS をご愛用いただき誠にありがとうございます。
先日 2019 年 1 月 29 日 に
「課題解決を成功させるためのデータサイエンス
~製造現場における要因分析のフレームワーク~」特別セミナー
を開催いたしました。
本セミナーでは、データ分析のスペシャリストである2名の講師を
外部よりお招きし、BayoLink ユーザー様も多く取り組まれている
要因分析に焦点が当てられました。
今後、本セミナー講師による
定期的なデータ分析勉強会を開催予定です。
BayoLink ユーザーの皆様にも大変参考になる内容かと存じますので、
今回のメルマガでは、セミナーレポートをお届けいたします。
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「課題解決を成功させるためのデータサイエンス
~製造現場における要因分析のフレームワーク~」特別セミナー
◆講師
○滋賀大学データサイエンス教育センター副センター長 河本 薫 様
○AGC株式会社 経営企画本部
スマート AGC推進グループ マネージャー 小野 義之 様
セミナーは2部構成で、
第1部は、講師の河本様、小野様それぞれから、
データ分析に必要な考え方についてお話いただきました。
まずはじめに「企業で成果を出せるデータサイエンティストとは」
というテーマで、滋賀大学 河本薫様によるお話です。
河本様は20年間大阪ガスでデータ分析に取り組まれる中で、
成果へつながる課題設定と、
現場の悩み~分析成果まで、一気通貫した思考を持つことが
データサイエンティストに求められると強く感じられたそうです。
データサイエンティストには、現場の悩みに対して、
"現場が使える"分析結果を提供し、具体的ソリューションを提案することが求められます。
分析をするには、まず課題設定が必要ですが、
現場にとって「役立つ課題」を設定することで、
「役に立つ分析結果」が導き出され、
その結果、現場に導入してもらえるソリューションにつながります。
従来のデータサイエンティストは、
現場の悩みとデータから、統計や機械学習を用いて"分析をすること"に
焦点が当てられていましたが、
これからは、現場の悩みを元に、「課題を設定する力」、
その課題に対して「データと分析力を操る力」、
そして、分析結果から、「使えるソリューションを考案する力」と
最終的にそれを現場に導入するために、「人を動かす力」、
という、一気通貫した姿勢を持てるかどうかが重要だということです。
なお、この考え方は、欧米に比べると
総合職文化のある日本企業で働いてきたビジネスマンには理解しやすい視点であり、
今後日本のデータサイエンティストの成長が期待できる、というお話が印象的でした。
そして、続いては AGC小野様のご講演です。
小野様は、AGCのデータサイエンティスト研修の際に、必ずされるお話があるそうです。
それは、『データサイエンティストとは、「ビジネス課題に答えを出すプロフェッショナル」であり、
ビジネス力とは、課題背景を理解した上でビジネス課題を整理し、解決する力。
つまり、「ビジネス課題に答えを出すためには、課題設定が不可欠」である』ということです。
まさに河本先生のお話と共通する考え方ですね。
しかし、現在のデータ活用の現場では1つの問題があります。
課題設定に対して、その具体的な方法論を誰も教えてくれない、ということです。
また、小野様は、データサイエンティストから
「現場が納得してくれない」という相談を受けることがあるそうですが、
現場とデータサイエンティストとの認識のミスマッチがあっては、
適切な課題設定はできません。
「データサイエンティストは分かっていない」という現場との信頼関係にも影響します。
そこで、小野様が提唱するのが「因果連鎖分析」です。
因果連鎖分析は、人は無意識のうちに物事を因果関係で捉えている、
ということを利用し、人の暗黙知を因果関係で捉え、整理することで、
現場とデータサイエンティストの共通の思考プラットフォームを構築します。
その結果、適切な課題の発見や、納得力の高い結果を得ることができる、
という方法論です。
小野様は、まずは現場のヒアリング・打ち合わせ等で現場の
すべてのプロセス・要素を因果連鎖分析でまとめあげ、
その上で BayoLink を利用し、ベイジアンネットワークによる分析を行われます。
ベイジアンネットワークは因果連鎖分析と表現方法が同じで、
この方法論を実現するデータ分析技術にはうってつけだそうです。
第2部では、実際に小野様による因果連鎖分析の具体的方法をご説明いただき
ご参加者様とともに、「ビールの造り方」という課題の元、
現場にヒアリングをしながら因果連鎖図を作成する、
という実践的ワークショップを実施しました。
情報整理や、ネットワークへの落とし込み方、
現場とのやりとり・ヒアリングのコツなど、も同時に解説いただき、
ご参加者様からの満足度も高い実用的なワークショップとなりました。
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今回講師を務めていただいた河本様、小野様とともに、
2019年4月以降に、因果連鎖分析の勉強会の開催を予定しております。
参加企業同士で、実際の業務内容をヒアリングしながら
因果連鎖図を描き起こすスタイルを検討中です。
因果連鎖分析と BayoLink の親和性は高く、
BayoLinkユーザー様には、特にご興味をお持ちいただる
内容になると存じますので、ぜひご参加もご検討くださいませ。
勉強会に関する詳細は、別途ユーザー様へご案内させていただきます。
講演からワークショップまで、
講師の皆様・ご参加者様のデータ分析に対する情熱が伝わってくる
熱気にあふれた素晴らしいセミナーとなりましたこと、
参加された皆様には改めて感謝申し上げます。
(2019.3.26. 篠宮 陽奈)