BayoLinkS (ベイヨリンクエス) は大量のデータから依存関係を抽出し、わかりやすいインターフェースでベイジアンネットワークを構築するためのソフトウェアです。構築したベイジアンネットは確率推論機能により予測や診断に利用できます。
前処理機能やデータ可視化機能など分析に必要な機能を搭載し、ベイジアンネットワークでの分析を強力にサポートします。
BayoLinkS は国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)で開発され、 株式会社NTTデータ数理システムがソースライセンスを取得したソフトウェアです。

お知らせ
2025年01月09日 | BayoLinkS 9.2.3をリリースいたしました。 構造学習・検証・推論アイコンにおいて、データ行数に応じ、旧バージョンより処理時間がかかる不具合を修正いたしました。 |
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2024年11月28日 | BayoLinkS 9.2.2 をリリースいたしました。いくつかの不具合を修正いたしました |
2024年06月28日 | BayoLinkSユーザー事例ページにて新たなインタビュー記事を公開しました。 九州大学 基幹教育院 岡本 剛 様 焚き火の際の心理状態と脳活動をベイジアンネットワークで分析した事例 |
主な特徴
- 現象のつながりを直感的に表現するベイジアンネットワーク
- データ加工から予測まで、ノーコードで実現
- テキストデータも扱える
- APIによる簡単な業務システム連携・組み込み
- 経験豊富なデータサイエンティストによる伴走型サポート
現象のつながりを直感的に表現するベイジアンネットワーク
BayoLinkSで構築可能なベイジアンネットワークは、変数間の因果関係をグラフ構造で可視化します。変数間の依存関係を矢印の向きで表現。確率推論によって、原因から結果だけでなく、結果から原因を予測することもできる非常に柔軟なモデルです。
データ加工から予測まで、ノーコードで実現
- ノーコード・直感的な分析をWebブラウザ上で実現
データ取り込みから前処理、可視化、モデリング、予測まで一連の分析プロセスをノーコードかつ直感的なGUI操作で行えます。 - 分析の流れが俯瞰できる。結果を多角的に確認できる
アイコンを活用した直感的なビジュアル表現で処理全体を俯瞰できるため、見通しの良い分析が可能です。
また、ベイジアンネットワークによる確率推論結果など、分析の随所に現れる各種データを様々な角度から可視化するための機能も揃っています。
テキストデータも扱える
~日本語の解析もおまかせ~
BayoLinkSはカテゴリデータや数値データだけでなく、アンケートやコールセンターの応対記録、ヒヤリハットの報告書など自由記述のテキストデータに対して形態素解析やテキスト分割などの処理をすることができます。その結果をベイジアンネットワークへと組み合わせることで、ことばのつながりや、現象との関係性を表現するモデルを構築できます。
APIによる簡単な業務システム連携・組み込み
~Web API連携・分析フローの履歴管理~
BayoLinkSの分析フローはGUIの画面を介さずにWeb API (RESTful API)で利用できるため、お客様の業務システムから簡単に呼び出して組み込むことができます。 BayoLinkSは、分析環境であるとともにデプロイ環境としても使えるので、運用時に新たな環境を用意しなくても業務にすぐに組み込めます。また、過去の分析フローの履歴管理ができるため、運用中に分析ロジックの問題があった場合にも過去の状態に立ち返り、原因の調査が可能です。

経験豊富なデータサイエンティストによる伴走型サポート
~お客様の課題に合わせた分析コンサルティング・データサイエンティスト人材育成プログラム~
NTTデータ数理システムは長年にわたって純国産のデータサイエンス製品を提供し、製造、マーケティング、医薬、教育、エネルギー、流通、広告、金融など幅広い業種のお客様のデータ活用をご支援してきました。お客様の分析の課題を理解し解決策を提案する分析コンサルティング、各種セミナーやデータサイエンティスト人材育成プログラムのご提供等、データサイエンティストによるさまざまな伴走型サポートメニューをご用意しているので、お客様組織全体のデータ活用力の底上げに貢献できます。

機能概要
ベイジアンネットワークモデルの構築を簡単なマウス操作と分かりやすいビジュアルで実現する中心機能に、 分析を強力に後押しする様々な機能を追加したBayoLinkS。さらに高度な分析、作業の効率化が期待できます。
様々な事例データから条件付き確率を生成し、変数間の依存関係を自動的に抽出します。モデルの自動構築にはスコアベースのアルゴリズム(Greedy Search等)を採用しています。スコアはAIC、MDL、ML等から選択可能です。
任意のノードに観測情報(エビデンス)を入力し、その他のノードの事後確率を計算します。観測情報はハードエビデンスの他、ソフトエビデンスが指定可能です。確率推論アルゴリズムはLoopy BP (Loopy belief propagation)とMSSM(Modified systematic sampling method)を実装しています。
異常値除去や欠損値補填などの「データクリーニング」、数値データを賢くカテゴリ化する「離散化」など、 分析に必須のデータ操作をマウスのクリックだけで実現します。ベイジアンネットワークによる確率推論結果など、 分析の随所に現れる各種データを様々な角度から可視化するための機能もそろっています。
テキスト分析に役立つ機能を厳選して提供
単語と単語の意味的つながりやニュアンスの情報を自動で推定して、文章を文節単位に区切る「形態素・構文解析+」機能をはじめ、語の長さや頻度から語を絞り込む「語句のフィルタリング」機能や、ルールベースで文章にラベルを付与するのに便利な「ルールベース文書ラベル付与」機能など、テキスト分析に役立つ様々な機能を厳選して提供しています。

「形態素・構文解析+」のイメージ
「ワークフロー」と呼ばれる直感的なビジュアル表現で処理全体を俯瞰できるため、見通しの良い分析を実現。
複数のモデルを同時に構築・検証することもでき、 大量のデータも一括推論可能です。
標準のアイコンにない機能などはPythonスクリプトアイコン上でPythonコードを書いて実行できます。
Pythonスクリプトアイコンの編集画面ではIPythonが利用でき、 結果を確認しながらスクリプトを作成できます。
Rのスクリプト実行も可能です。
当社汎用分析プラットフォームAlkanoの機械学習アルゴリズムやテキスト分析機能と組み合わせることで、思い通りの分析が実現できます。
分析例:
- テキストマイニングとの連係で、アンケート・口コミ・日報・特許分析など
- データマイニングとの連係で、IoT・顧客データ分析など