6. セパラブルな関数#

6.1. 説明#

セパラブルな関数とは,\(1\) 変数関数の和として表される関数の事である. つまり,一つの項の中に含まれる変数の数は一つである. 例えば次の関数はセパラブルな関数である.

(6.4)#\[x_1^2 + 2x_2 + e^{x_3}\]

セパラブルな関数は以下の性質を持ち,セパラブル・モデル として線形な定式化が可能である.

  • インジケータ変数 を用いて折線近似できる

  • 最小化問題で凸な問題を折線近似した問題では,大域最適解が得られる

  • 最小化問題で非凸な問題を折線近似した問題では,局所的最適解が得られる

6.1.1. セパラブルな関数への変換#

セパラブルでない関数をセパラブルな関数に組み替える事が可能な場合がある. 現実のモデルのセパラブルでない関数は,二つもしくはそれ以上の変数の積である事が多い. この変換の例を以下に示す.

\(x_1,x_2\) という項をセパラブルな形に変換する. \(u_1,u_2\) という二つの新しい変数を以下の様に定める.

(6.5)#\[\begin{split}& u_1 = \frac{1}{2}(x_1 + x_2), \\ & u_2 = \frac{1}{2}(x_1 - x_2)\end{split}\]

すると次が成り立つ.

(6.6)#\[x_1\cdot x_2 = u_1^2 - u_2^2\]

よって \(x_1\cdot x_2\) をセパラブルな形に変換できた.

6.2. 関連#

参考文献

[1]

H.P.ウイリアムス. 数理計画モデルの作成法. 産業図書, 1995.