2025年03月06日
ニュースリリース
株式会社NTTデータ数理システム
リリースノートのPDF版は こちら から
株式会社NTTデータ数理システム(本社:東京都新宿区、代表取締役社長: 箱守 聰、以下、NTTデータ数理システム)は、2024年度の「NTTデータ数理システム学生研究奨励賞」を決定いたしました。
最優秀賞には 東海大学 川﨑 勝紀 さん の研究成果「社会実装に向けた遅延率と優先状況に基づく適応的・確率的な交通信号制御」、優秀賞には 中央大学 池ヶ谷 健太 さん の研究成果「ベイジアンネットワークによる従業員エンゲージメント向上の要因分析」と、東京理科大学 成田 柊介 さん、纐纈 潤大 さん の研究成果「サプライヤ選別 vs 協働:脱炭素時代におけるメーカーの在り方に関する試作モデル開発と検証」が選ばれました。どの研究も今や大きなテーマとなっている様々な社会課題に対してAIを活用して分析し、改善案の検討を行うものです。
これらの受賞研究成果は、NTTデータ数理システムのWEBページ内で発表します。
NTTデータ数理システムでは、今後も社会課題解決の担い手となる人材育成に貢献できるよう、本取り組みを継続していきます。
背景およびNTTデータ数理システム学生研究奨励賞について
近年ではAI活用はビジネスにおいて不可欠なものとなりました。数理科学・データサイエンスの基礎と応用の両方を学び、実践的なAI活用能力を身に着けたAI人材が、業種業界を問わず求められています。また、高等学校の教育指導要領に2022年4月から情報I、IIが採用され、大学においてはさらに高度な数理科学・データサイエンスを学ぶ環境が整備されてきています。
このような中、NTTデータ数理システムでは学生の学術研究の支援と発表の場の提供を目的として2003年度より「NTTデータ数理システム学生研究奨励賞」を設立。毎年、公募および表彰を実施しています。
本取り組みは公募型の研究奨励賞であり、応募者(大学生、大学院生)には、当社で開発・販売しているAI関連(機械学習・統計解析・ベイジアンネットワーク、テキストマイニング、シミュレーション、数理最適化)のソフトウェアを無償で貸与します。応募者にこれらのソフトウェアを活用した研究を行っていただき、研究成果をご提出いただきます。 2024年度は71件の応募があり、最優秀賞、優秀賞等をはじめ数多くの優れた研究成果を表彰対象として選定いたしました。
2024年度の主な受賞研究成果について
■最優秀賞
受賞者
東海大学 川﨑 勝紀 さん
タイトル
社会実装に向けた遅延率と優先状況に基づく適応的・確率的な交通信号制御
昨今、日本では交通渋滞が経済や環境に深刻な影響を及ぼしています。また、「働き方改革関連法」による労働時間の制限強化により、トラック運転者の稼働時間が減少し、全国の配送能力も低下しています。このため、交通流の改善や車両スループットの向上を図るために、交通最適化の導入が急務です。
本研究では、交通最適化を通じて配送車や公共交通機関の移動をスムーズにすることを目的とし、マルチエージェントシミュレーションを用いて、現実的な社会実装が可能な信号制御の効果を検証しました。その結果、配送遅延率に基づく優先順位の決定や、交通状況を考慮した確率モデルによる制御の可能性が示されただけでなく、汎用性と安定性を兼ね備えた交通最適化手法も提案されました。

図.交通シミュレーションモデルの実験設計(提出資料より抜粋)
■優秀賞
受賞者
中央大学 池ヶ谷 健太 さん
タイトル
ベイジアンネットワークによる従業員エンゲージメント向上の要因分析
企業の働き方改革は、従来、従業員の働きやすさに目的意識が置かれてきましたが、コロナ禍を経て、従業員の働きがいに目的意識を置く変化がみられます。働きがいと相互関係にある従業員エンゲージメントについてより高い解像度で理解することで、働きがい向上のための課題や施策の検討が可能になると考えられます。
本研究では、従業員エンゲージメントの因果構造の仮説検定を行い、ベイジアンネットワークを用いてエンゲージメント向上の主要因を推定しました。その主要因に対して企業の特徴分析を行うことで、エンゲージメントの高い企業と低い企業の違いや、離職率や営業利益との関係も差があることが分かりました。
受賞者
東京理科大学 成田 柊介 さん、纐纈 潤大 さん
タイトル
サプライヤ選別 vs 協働:脱炭素時代におけるメーカーの在り方に関する試作モデル開発と検証
近年、脱炭素化が重要視される中で、企業は自社の取り組みだけでなく、サプライチェーン全体の排出削減が求められています。特に大規模メーカーは、サプライヤとの協力や選別を通じてその方策を模索しています。
本研究では、メーカーのサプライヤ選別・協働戦略が消費者や社会に与える影響を、マルチエージェントシミュレーションを用いて解明しました。その結果、主要メーカーの傾向が市場に影響を及ぼすことや、企業間の取引ルールによって投資効率に大きな差が生じる可能性があることが示唆されました。
受賞研究成果の発表
上記の研究成果を含む受賞研究成果は、NTTデータ数理システムのWEBページで発表します。
https://www.msi.co.jp/event/stuaward/sa2024.htmlNTTデータ数理システムのAI関連ソフトウェア
NTTデータ数理システムでは、AI活用に関連したソフトウェアの開発、販売を行っています。
NTTデータ数理システム学生研究奨励賞では、応募者に下記のソフトウェアを無償貸与し、研究にご活用いただきました。
- Alkano(機械学習・統計解析・ベイジアンネットワーク)
https://www.msi.co.jp/solution/alkano/top.html - Text Mining Studio(テキストマイニング)
https://www.msi.co.jp/solution/tmstudio/top.html - S⁴ Simulation System(シミュレーション)
https://www.msi.co.jp/solution/s4/top.html - Nuorium Optimizer(数理最適化)
https://www.msi.co.jp/solution/nuopt/top.html
本件に関するお問い合わせ先
■ 報道関係のお問い合わせ先
株式会社NTTデータ数理システム
営業企画部
五十嵐
Tel:03-3358-1701
E-Mail:pr-info@ml.msi.co.jp
■ AI関連ソフトウェアに関するお問い合わせ先
株式会社NTTデータ数理システム
営業部
小木
Tel:03-3358-6681
E-Mail:sales@ml.msi.co.jp