ParadiseWorld-2
ParadiseWorld-2は、マスクレイアウトパターンとモデル化されたプロセスフローを入力することにより、実際の半導体製造工程をシミュレーションするツールです。
LSIやトランジスタなどの半導体製品を作る場合、マスクレイアウトや製造プロセスの設計が欠かせません。ですが、現代の半導体製品の設計現場ではこれらの業務は高度に専門化し、技術の習得が難しいのみならず、設計者間でのコミュニケーションも非常に困難になってきています。そのような状況にもかかわらず、現場にはより早く製品を設計し、より早く製品を市場に投入しなければならないという要求が課せられています。
ParadiseWorld-2は、このような現状に悩まされている半導体設計技術者の方々をサポートするために開発されたトータルシミュレーションツールです。プロセスシミュレーションは、プロセス設計者、レイアウト設計者、デバイス設計者それぞれの業務そのものに役立つのはもちろんですが、3次元デバイスの形状を可視化することにより、設計分野の垣根を超えたコミュニケーションが促進されます。
お知らせ
主な特徴
ボクセル(voxel)モデル
折れ線によって形状を構成するストリングモデルではなく、微少な立方体要素の集まりとして形状を表現するボクセルモデルにより計算を行うため、特に3次元の複雑な形状に対する、安定性と高速性に優れています。
2次元/3次元半導体形状計算
GDS-IIフォーマットを元にして、プロセスモデルを登録していくことにより、2次元/3次元の半導体形状シミュレーションを行います。ボクセル法のメリットを引き出すユニファイドモデルという独自モデルを適用することで、高速・高精度な形状シミュレーションを実現しています。また、ボクセル法は並列計算にも適しています。並列計算モジュールを利用すれば、高い並列化率を達成しさらに高速なシミュレーションを可能とします。
容量・抵抗・インダクタンス抽出オプション
ParadiseWorld-2は、形状計算モジュールが出力した形状を対象に、配線間の容量・抵抗・インダクタンスを計算、プロセス設計・レイアウト設計の結果が半導体デバイスの特性 (C、R、L) にどのように影響するかをシミュレーションすることができます。また、プロセス・レイアウトを変えた場合にデバイス特性がどのように変わるかも ParadiseWorld-2 でワンストップで検証可能です。
機能概要
折れ線によって形状を構成するストリングモデルではなく、微少な立方体要素の集まりとして形状を表現するボクセルモデルにより計算を行うため
特に3次元の複雑な形状に対する、安定性と高速性に優れています。
GDS-IIフォーマットを元にして、プロセスモデルを登録していくことにより、2次元/3次元の半導体形状シミュレーションを行います。ボクセル法を用いてユニファイドモデルという独自モデルを適用することで、高速・高精度な形状シミュレーションを実現しています。また、並列計算モジュールを利用することにより、高い並列化率を達成し、さらに高速なシミュレーションを可能とします。
形状計算により作成した 3次元形状を、専用ビューアにて 3次元表示を行うことができます。ビューアは、形状計算モジュールとは独立していますので、ノートPCでのデモンストレーションなどにも簡単にご利用いただけます。また、Webクライアント版を用いれば、Webブラウザ上で形状データを可視化できますので、アプリケーションをインストールしたり、機密の形状データをサーバー外部に持ち出したりする必要がありません。
全ての操作は、Windows ライクな統合 GUI を起点として行います。自由にエディタ画面の配置を変更できますので、各種の設定を一覧しながら作業を進めることができます。
ボクセルを元にした有限体積法 (FVM) による手法のため、境界要素法 (BEM) のツールでは出力できない、空間電位分布や空間電場強度分布の計算・表示が可能です。特に、空間電場強度分布の表示は、作成したデバイスのどこに電場が集中しているかを可視化できるため、デバイスを解析するのに非常に有用なツールとなります。
ParadiseWorld-2 では、形状計算において OpenMP によるマルチコア並列計算に対応しています。ボクセル法とユニファイドモデルの組み合わせは並列化と相性が良いため、非常に高い並列化率を達成しています。