S4 Simulation System の機能詳細をご紹介いたします。

機能一覧

GUIベースの簡単操作

シミュレーションに必要な基本的な部品は全て用意されています。簡単なGUI操作でそれらを組み合わせることで、複雑なプログラミングを行なうことなく、独自のモデルを作成・編集することが出来ます。
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グラフ機能

与えられたデータに対して、ヒストグラムや時系列プロット、散布図や棒グラフ、折れ線グラフ、円グラフなど用途に応じた様々な表示を行えます。
また、シミュレーションの実行中に、各部品で観測している値をリアルタイムに表示することもできます。
これらのグラフは、ユーザが、GUIを用いて各項目をグラフィカルに編集することが可能です。複数のグラフを一枚のシートに自由に配置したりなど、思いのままのグラフを作成できます。

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psim言語

Python 言語を用いて独自のデータ構造やアルゴリズムなどを組み込み、より柔軟なモデルを記述することが出来ます。これによりモデル記述は無限の柔軟性・拡張性を持つことになります。 psim言語の解説は こちら をご覧ください。

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統計解析機能

与えられたデータの平均・分散などの統計量の算出や、分布を推定したり、推定した分布の適合度を検定することが出来ます。
また、時系列データの振る舞いを推定する機能として、カーネル平滑化、スプライン平滑化や多項式回帰を行うことが出来ます。

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最適化

シミュレーションモデルの最適なパラメータを算出します。最適化エンジンとして、Oputuna※を採用しており、ベイズ最適化により効率的な探索を実現します。その他、 PSO(Particle Swarm Optimization) も用意し、MOPSO(Multi-Objective Particle Swarm Optimization) を用いることで線形制約の多目的最適化を行うことが出来ます。最適化の進捗状況をグラフで確認することで、最適化の良し悪しを視覚的に把握できます。
※Optuna: Copyright (c) 2018 Preferred Networks, Inc.

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アニメーション機能

シミュレーションの様子をアニメーションで可視化する事が出来ます。これにより、混雑状況 や、人、モノが流れる様子をリアルタイムに観測する事が出来ます。また、アニメーションの 表示速度も調整可能です。

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実験計画機能

D-最適性に基づいた最適な計画(偏りのないシミュレーションパラメータの組み合わせ)の自動 作成から、その計画のシミュレーション一括実行、結果の分散分析までを行う事が出来ます。
この機能により、シミュレーションパラメータが取る値の組み合わせが非常に多い場合に、少な い回数で網羅的にシミュレーションを行う事が出来ます。

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感度分析

シミュレーションパラメータの変化がシミュレーション結果に与える影響の大きさを知りたい場合 に有効な機能です。
パラメータ毎に値を変化させてシミュレーションを一括実行する事が出来ます。また、シミュレー ション結果への影響度、変化率も自動でトルネードグラフ、スパイダーチャートにグラフ化する事 が可能です。

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強化学習

報酬と呼ばれる行動の良し悪しを最大化するような、振る舞いを学習する機械学習の一種です。 シミュレーションによって観測されたデータから、最適な行動ルールの学習を行います。
例えば、信号制御の最適化や生産ラインの最適化、コールセンターでの自動割振りなど、さまざま な場面で用いる事が出来ます。

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並列化

マシンのコア数が多い場合には、一括実行や、感度分析実行、実験計画実行、最適化実行時に並列 計算によって高速化する事が出来ます。
各コアの実行状況もモニタリングが可能です。

ソーシャルフォースモデリング機能

人流シミュレーションや歩行者シミュレーションに用いる機能です。群集行動の力学ベースモデルの一つであるソーシャルフォースモデルが組み込まれています。 施設内の障害物回避や歩行者同士の衝突などの動きをよりリアルにモデリングする事が出来ます。エージェントの経路探索アルゴリズムには、経路グラフ上での 経路探索の他、CMM(Corridor Map Method)、TIM(Trajectory Improve Method)が組み込まれています。エージェントの視野の概念や、立ち止り、 移動スケジューリング、待合室での行列表現等の便利な機能も組み込まれています。

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ネットワークシミュレーション機能

人や車が道路ネットワークを移動するようなシミュレーションが出来る機能です。イベント会場における混雑度の推移予測や、都市における人や車の 交通シミュレーションなどに応用することが出来ます。OpenStreetMapからエクスポートした地図情報(道路ネットワーク情報)を取り込み、広範囲のシミュレーションモデルを構築する事も可能です。

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地図エディタ機能

ソーシャルフォースモデルやネットワークシミュレーションで用いる地図空間を作成するエディタ機能が備わっています。エディタ上で、矩形や多角形を組み合わせて、障害物の設定が出来、経路地点 やそのリンク生成も簡単に設定できるようになります。GUIで直観的に地図空間の構築にかかる工数が大幅に削減することが出来る他、スクリプティング機能で、一括で 障害物や経路地点の設定も出来ます。また、CADソフトで作成した図面を、DXFファイル形式で読み込み、背景として表示したり、DXFファイルの、Line、PolyLine、 Circle、Arcエンティティを認識し、地図空間の構築に用いることが出来ます。オープンソースの地図情報システムである QGIS等の外部ソフトと連携が出来るように GeoJSON形式のファイルのインポート、エクスポート機能も備わっています。

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3Dアニメーション機能

ソーシャルフォースモデルでシミュレーションした歩行者の動きを3Dアニメーションで描画することが出来ます。平面上での2Dアニメーションでは読み取りにくいような、シミュレーション空間の状況やエージェントの種類などを様々なバリエーションで表示することができます。

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人流解析機能

人流シミュレーションの結果をWebブラウザ上で分析することができます。人流のアニメーション・可視化、フィルタ、ダッシュボードによるレイアウト作成などが可能です。アニメーションをmp4形式で保存することも可能です。

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状態空間モデル

観測時系列データにあてはめながらマルチエージェントシミュレーションを進める事が出来る機能です。 時系列データの補完や、MultiTargetTracking(MTT)と呼ばれる、人や車、船舶などの位置の追跡技術に応用が可能です。

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