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半導体形状シミュレーション

モデル化されたプロセスフローによる半導体形状シミュレーションのツールと事例をご紹介します。

半導体形状シミュレーションとは

IoT機器が一般に普及し、AI技術の活用が広まりつつある現在、半導体デバイスの重要度が過去に例を見ないほど増加してきています。3次元の複雑形状を有する現在の半導体デバイスの設計現場では、製造工程(プロセス) を一つ一つ計算機の上で辿り、最終的な出来上がり形状を精密に予測する形状シミュレーション技術の活用が必須となっています。

形状シミュレーションによって解決したい課題には、以下のようなものあります。

  • 指定したレイアウト・プロセス設計条件での出来上がり形状を高速に計算し評価すること
  • 精度を保ちながら、大規模な領域を高速に形状生成すること
  • 出来上がり形状における、不良箇所を自動で検出すること
  • 設計の結果が、半導体デバイスの電気特性にどのように影響するかを評価すること
  • マスクレイアウト設計者・製造プロセス設計者など関係者間で、形状イメージを共有すること

当社では、高速・高精度な半導体形状シミュレータ ParadiseWorld-2 を開発し、長年に渡って改良を続けてきました。この ParadiseWorld-2 をフラグシップとしながら、数値計算技術と物理的な知見をベストミックスさせて半導体分野の問題解決を強力に支援いたします。

半導体形状シミュレータ ParadiseWorld-2 の活用

voxel 法による形状計算

ParadiseWorld-2は、モデル化されたプロセスフローを入力することにより実際の半導体製造工程をシミュレーションします。形状要素1つ1つが材質などの情報を持つ ボクセル法 により計算を行うため、一般のツールで扱うことは難しい複雑な形状についても安定して高い精度で形状を求めることができます。pw2_voxel.png

プロセスモデルとしては、リソグラフィ・デポジション・エッチングを始めとして、一般に用いられる半導体プロセスのモデルを網羅しています。任意のプロセスフローを組み立て、モデルパラメータを設定するだけでシミュレーションを実行することが可能です。特定のプロセス工程に焦点を当て、詳細な物理モデルに基づいてのシミュレーションを行うことも重要です。カスタマイズのご要望に応じて、最新の物理モデルを組み込み、詳細な形状シミュレーションに対応することも可能です。

電気特性計算

形状計算で作成した3次元形状に対し、有限体積法による容量計算・抵抗計算・インダクタンス計算が可能です。 Voxelを元にした有限体積法(FVM)による手法のため、境界要素法(BEM)のツールでは出力できない空間電位分布、空間電場強度分布の計算・表示が可能です。

pw2_lcr.png

Webブラウザによる可視化

形状シミュレータの計算結果をプロセスやレイアウトの設計に活かすためには、その結果を関係者の間で共有することが不可欠です。ParadiseWorld-2 では形状シミュレータの計算結果を効率よく可視化し、手軽に共有できる Webブラウザによる可視化ツールをアドオンできます。

プロセスシミュレーションの適用事例

Cross SADP

自己整合ダブルパターニング (SADP; Self Aligned Double Patterning) は、1回のリソグラフィーでそのピッチの半分のパターンを作製する技術で、微細加工において多用されています。その一例として、パターンの側壁上にスペーサ膜を直接生成する方法で加工した例を示します。ここでは SADP を 1回行ったのち直交する配置で SADP を重ねて行うことにより、格子状のパターンを作製しております。

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FinFET

SOI(Silicon on Insulator) ウェハを用いた加工プロセスにより、FinFET(Fin Field-Effect Transistor) を形状計算したものです。 CVD成膜と異方性エッチングによって作製したスペーサを用いてFin部分を加工したのち、ゲート絶縁膜とゲートを作製しております。

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