機械学習を軸として先端技術により課題解決する

深層学習によるブレークスルーを経て、2022 年、ChatGPT の登場により、機械学習がより人工知能(AI)と呼べるものに近づいてきています。今後も、より多くのデータ、より大規模なモデルが求められることでしょう。現実世界を模したシミュレーション・デジタルツイン技術などにより、より多くのデータ、また、現実の世の中ではデータを取得することが難しいデータが生成されることが期待されます。また、計算能力が飛躍的に向上する量子計算機の登場により、より大規模なモデルが計算可能になることも期待されます。これらの技術を融合することで、より自律的・効率的に学習を行い、AI の更なる深化が加速される世の中が来ると期待して、技術を磨いていきます。

新たな手法の調査・実践を重ねる

機械学習技術の進展により、古典的な教師あり学習の問題設定では解決が難しかった課題に対しても、学習ができるようになってきました。
より多くの課題を解決できるように、新たな手法の調査・実践を重ねていきます。

異常検知、弱教師あり学習

世の中の問題は教師値が正確に付けられるものばかりではありません。
例えば、被災時の構造物の被害データでは、被害ありのデータが非常に少ない事、また、被害判定が難しく、被害有/無のデータに誤りが含まれること(inaccurate)、もしくはその粒度が粗い(inexact)、一部のデータしか被害状況がわかっていない(incomplete)などの問題が挙げられます。このような状況における機械学習技術として、被害無しデータに誤りが含まれるとして学習する方法や、被害ありデータのみを正解とした学習(PU 学習)、被害有・無が正確に分かっている一部のデータのみを教師値として残りのデータは教師なしデータとして学習する半教師あり学習など、様々な学習方法が研究されています。

強化学習

囲碁や将棋のように、次の打ち手の良し悪しに教師値を付けることは難しいものの、状況が進んだ後の結果の評価はできるという問題は意外と多いものです。強化学習ではこのような問題の次の打ち手を学習することが出来ます。
強化学習では環境に対して様々な働きかけを行い、その結果の評価から最適な打ち手を学んでいきます。その為、必然的に試行錯誤が重要になります。リアルな社会で試行錯誤を行うことは様々な面で難しく、通常は何かしらのシミュレーターを用いて行います。

当社ではこれまでに [建物の振動制御]や [生産工程の最適化]などを扱った経験があります。また、シミュレーションや機械学習、最適化などの関連分野の知見も多くあり、幅広いご支援が可能です。

先進技術の調査・検証を行う

機械学習の分野にこだわらず、数理科学の領域全般が当社の事業領域です。
最新の論文の調査、技術検証を行い、先進技術をキャッチアップしていきます。

大規模言語モデル・生成AI

近年、ChatGPTを中心に、大規模言語モデルや生成AIが注目を集めています。
特に大規模言語モデルに関してはエポックメイキングな重要テーマととらえており、関連技術群の調査・検証・情報発信を積極的に行っています。
また、大規模言語モデルを利用した自社製品に対するQAシステムやチャットベースのUIシステムの開発等の取り組みを通して、実際に自社業務の効率化を実現しています。

このように、実際に我々自身の業務をこれらの技術を用いて効率化することで得られたノウハウをクライアント様へ展開させていただき、ビジネスを発展させていきたいと考えています。

量子計算

現在の一般的なコンピュータ(古典計算機)と比べて、量子計算は一部の問題を非常に高速に解けるといわれており、将来的に最適化、物理シミュレーションや機械学習などの分野で活用されることが期待されています。
ただ、量子計算は発展途上の技術であり様々な課題があります。量子計算のアルゴリズムやソフトウェアの開発の際には、ハードウェア上の制限や、古典計算機とは異なる計算の仕組みを考慮することが必要です。

[量子アニーリング]を用いた最適化方法の研究開発や、[イジングマシンのためのSDK]の開発などを行ってきました。また、機械学習や最適化などの量子計算の応用先の分野の経験もあり、幅広く量子計算関連の研究開発をご支援できます。

複雑なお客様の課題を、先進技術を活用して解決する

我々の目的は、技術調査ではなく、お客様の実際の課題を解決することです。
現実の問題は複雑で、単に論文のアルゴリズムを適用すれば解決するというようなものではありません。
泥臭いデータ整備、様々な領域の技術の複合的な適用、など、持てる技術と知識を総動員して課題と向き合います。

EHR分析

近年多くの医療機関において医療記録がデジタルで保存されるようになりました。このような医療記録データはEHR(Electronic Healthcare Record)などと呼ばれています。EHRを分析して治療の計画や創薬などに活用することが行われています。
ただ、EHRの分析においては、診断・検査結果などのコード体系を扱う必要や、入力値の一貫性のなさや品質のばらつきへの対処など、特有の課題があります。また、EHRには患者さんの個人情報が含まれるため、取り扱いには注意する必要もあります。

当社ではこれまでEHRを利用した分析に携わってきており、様々なご支援が可能です。

リテールテック

小売業においては、商品の需要予測・レコメンドから始まり、値段・生産数・配送方法を最適なものに調整したい等、さまざまなニーズがあります。例えば、食品の廃棄を最小限に抑えつつ店舗の利益を最大化するためには食品の値段や生産量をダイナミックに調整していく必要がありますし、商品の遅配を最小限に抑えつつ配送コストを最小化するためには配送計画の最適化が必要になります。
これら諸問題は単純な技術の適用だけでは解決が難しく、複数の技術トピックに関係する複雑な問題です。

当社では、機械学習、数理最適化技術およびシミュレーション技術を組み合わせて、これらの問題を解決した豊富な実績があります。