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B.2.2 QP 単体法

 単体法は,線形計画問題(Linear Programming,LP)の解法として確立された手法ですが,その後,二次計画問題(Quadratic Programming,QP)にも適用できるように拡張されました.このような QP に対する単体法は QP 単体法と呼ばれます.

 QP 単体法では,基底解の概念を拡張し,凸多面体の頂点だけでなく,多面体内部の点も表現可能な基底を扱います.これに伴い,解が頂点からどの程度「内部に入り込んでいるか」を表す指標が定義され,これを freedom (自由度) と呼びます.この拡張された基底を用いながら,LP 単体法と同様に,基底間の遷移を通じて最適解を探索します.

 QP 単体法の歴史も古く,1950~1960 年代にはすでに複数の手法が提案されています [22][23][24][25][26].特に Dantzig [23],および van de Panne と Whinston [24][25] の手法では,二次項がゼロの場合,通常の LP 単体法と同一の解軌跡を辿ることが示されており,LP 単体法の自然な拡張と見なすことができます.日本語による解説としては,竹内・真鍋による文献 [27] が詳しいです.

 

 QP 単体法の概要

 

 QP 単体法は,制約行列に対してピボット操作を行う通常の LP 単体法とは異なり,KKT 条件を行列として捉え,その KKT 行列に対してピボット操作を行うアルゴリズムです.ただし,主要操作の概念自体は LP 単体法と非常によく似ています.たとえば LP 単体法で行われるプライシング(pricing),比率判定(ratio test),ピボット操作(pivot)といった処理は,QP 単体法においても基本的に同じ意味で用いられます.

 操作の対象となる行列が LP では制約行列,QP では KKT 行列と異なるため,主要操作の内容自体は LP と QP で異なりますが,QP 単体法の各操作が果たす役割や直感的な意味は LP 単体法のそれを自然に一般化したものとして理解できます.

 QP 単体法の具体的な手続きについては文献 [23][24][25] などをご参照ください.


 

 

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