双対単体法#
読み: そうついたんたいほう
英名: Dual Simplex Method
下記のような,標準形の線形計画問題における主問題 (P) および双対問題 (D) を考える. ただし,\(c \in \mathbb{R}^n, b \in \mathbb{R}^m\) とし, 変数 \(x, y\) は \(x \in \mathbb{R}^n, y \in \mathbb{R}^m\) とする.
(73)#\[\begin{split}(P)
\begin{array}{ll}
\min & c^\top x \\
\mathrm{s.t.} & Ax = b, \ x \ge 0
\end{array}\end{split}\]
(74)#\[\begin{split}(D)
\begin{array}{ll}
\max & b^\top y \\
\mathrm{s.t.} & A^\top y \le c
\end{array}\end{split}\]
このとき,線形計画問題の最適条件は以下が成り立つことである.
(75)#\[\begin{split}\begin{array}{ll}
\mathrm{(i)} & Ax = b, \ x \ge 0 \\
\mathrm{(ii)} & A^\top y \le c \\
\mathrm{(iii)} & x^\top (c - A^\top y) = 0
\end{array}\end{split}\]
主単体法(一般的に単体法と言われるアルゴリズム)は,(i) と (iii) を満たしながら (ii) を満たそうとするアルゴリズムと言える. 双対単体法とは,(ii) と (iii) を満たしながら (i) を満たそうとするアルゴリズムである. これは双対問題 (D) に主単体法を適用しているとも解釈できる.
双対単体法は,制約式の追加を行った際に,追加前の情報を用いて効率良く求解が行える. このため,整数計画問題における分枝限定法などでよく使われている.
関連
参考文献
[1]
今野浩. 線形計画法. 日科技連出版社, 1987.