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5.7 分枝限定法用求解オプション

 本節では整数計画法(整数計画問題に対する解法)の一つである分枝限定法で有効な求解オプションについて解説します.

 分枝限定法は,整数変数の整数条件を一部緩和した問題(部分問題)を繰り返し解きながら,整数条件を満たす実行可能解の発見と及び解の最適性の保証を行います.

 連続変数のみからなる同程度の規模の問題に比べて,数倍あるいは数十倍の計算時間を要する場合があります.また計算時間(最適性の証明に要するまでの時間)が問題の規模のみならず,問題の性質に大きく左右されるということがあります.数万変数の問題が数秒で解けてしまったり,一方では数百変数の問題を解くのに一時間以上を所要したりということがあります.

 Nuorium Optimizer に実装されている分枝限定法は多様な問題が安定にとけるようにチューニングしていますが,あらゆる性質の問題に対して常に良い設定を見出すとは限りません.このため求解オプションの適切な設定により,効率良く求解ができる可能性があります.本節ではこのようなチューニングに役立つ求解オプションをご紹介します.

 説明の便宜のため,本節では解いている問題が最小化問題だと仮定している場合があります.最大化問題は目的関数の符号を逆にして最小化を行っていることと等価なので,意味は同じですが以下に出てくる下界値と上界値という言葉を逆転させて解釈する必要があります.

 以下は本節で対象となる解法一覧です.

  • 単体法+分枝限定法 (simplex)
  • 有効制約法+分枝限定法 (asqp)

 

 

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