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7.1 変数の初期値

 変数の初期値の設定は,分枝限定法,wcsp,wls及びrcpspにおいて有効です.

 分枝限定法では設定された初期値が制約を満たす場合は,実行可能解として与えられます.与えられた実行可能解は枝刈りや実行可能化の更新等に用いられ,実行可能解が見つかりづらいが別のロジックでは見つけやすい場合や多段階求解の場合などに有効です.一方初期値が制約を満たさない場合は,初期値の設定は無視されます.この場合,微小な違反により初期値の設定が有効にならないケースがあります.そのような場合は求解オプションbranchRepairSolutionによる「初期解の修復機能」を用いると初期値から実行可能解を構成できる可能性があります.

 求解アルゴリズムwcspタブーサーチでは設定された初期値を探索の出発点として採用することが可能です.以下は利用にあたっての注意点です.

  • 求解オプションwcspInitialValueActivationのデフォルト値が"off"のため,ユーザ指定による初期値から探索をスタートする場合は本オプションを"on"に設定する必要があります.
  • 求解オプションtryCountで計算回数を2以上に設定した場合,全ての試行回においてユーザ指定による初期値から探索を出発します.
  • 離散変数DiscreteVariableの定義域に文字列を用いる場合は,該当の変数に初期値を設定することはできません.
  • 以下のケースなどでは初期値の設定は無視されます.
    • 初期値が整数性を満たさない
    • 初期値が変数の固定条件を違反している
    • 初期値がselection制約を違反している

 求解アルゴリズムwlsでは設定された初期値を探索の出発点として採用します.ただし試行回数(tryCount)が2以上で設定された場合は2回目以降の試行では設定された初期値ではなくランダムに構成された初期値が採用されます.

 内点法では設定された初期値を探索の出発点として採用することが可能です.ただし,求解オプション ipmInitialValueActivation のデフォルト値が"off"のため,ユーザ指定による初期値から探索をスタートする場合は本オプションを"on"に設定する必要があります.


 

 

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